オリーブオイルは人類史上最も早く栽培が始められた植物であり、最古の食用油です。
この記事では、
- オリーブオイルの起源はどこから?
- オリーブオイルが栽培され始めたのはいつから?
- オリーブオイルが繁栄したきっかけはローマ帝国?
- オリーブオイルに関する神話の紹介
などについて解説しています。
好きな箇所から読んでみてください。
普段調味料として使うオリーブオイルにはどんな歴史があるんだろう?

ぽん太

maru
これから、オリーブオイルが起源や歴史、関係する神話について紹介していきますね。
- チュロスの歴史:
- ピザの歴史:
- フランスパンの歴史:
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オリーブオイルの歴史について紹介

これから、
- オリーブオイルがどこから栽培されたのかについて
- オリーブオイルに関する古代最古の資料はエジプトの文書だった
- ローマ帝国の繁栄がキッカケで、オリーブオイルは地中海全体に広く伝わった
などについて解説していきます。
オリーブオイルは、自然と生え始めていたんだね!

ぽん太

maru
これから、オリーブオイルの起源や歴史について紹介しますね。
オリーブオイルの起源はどこから?

オリーブの木の起源については、近東、エーゲ海の地域、ジブラルタル海峡の地域が起源だと言われます。
参照: The complex history of the olive tree: from Late Quaternary diversification of Mediterranean lineages to primary domestication in the northern Levant
また、人の手が入って栽培され始めたのは、北東レバント地域だと推測されています。
北東レバント地域は、現代におけるトルコ、シリア、レバノン、イスラエル、エジプトを含む地域を指します。
その後、近隣の領土との交流を経て広がったと言われます。
ジブラルタル海峡↓
エーゲ海↓
シリア↓
イスラエル↓
オリーブオイルに関する最古の資料は古代エジプトで書かれた物
オリーブオイルに関しての最古の資料は、12世紀の「パピルス文書」に記述されていました。

古代エジプト人は、人類最古の紙であるパピルスに思想や宗教観を残していました。
エジプトは多神教の国であり、エジプト神話でも重要な神である太陽神ラー(Ra)がいます。
そのラーに宛てて古代エジプトの王であるファラオ(ラムセス三世)が書いた手紙がオリーブオイルに関する最古の資料となります。
ファラオは、
『これらオリーブの樹から純粋なオリーブ油を搾り、あなた様の神殿の灯火を燃やし続けることができます』
と記したと言われます。
当時からオリーブオイルはランプの灯火の役割を担っていたことが推測できます。

ぽん太
現代のオリーブオイルは、古代では宗教的な聖なる意味をもつ存在だったんだね!
フェニキア人がオリーブオイルを広めた
前13世紀頃、エーゲ海地域で本格的にオリーブ栽培が始めると、地中海の海上貿易で活躍したフェニキア人がオリーブオイルに目を止めます。
航海術や海を牛耳っていたフェニキア人は、ギリシャの小さな島々に栽培方法を伝えて、オリーブオイルを支配しました。
前4世紀頃には、オリーブオイル職人がギリシャ市民が就く多くの職になり、オリーブオイルに関する法律までもありました。
2010年に世界無形文化遺産にも登録された「地中海料理」は、オリーブオイルがあってこそ生まれた料理です。

ぽん太
イタリアのピッツァ職人の技術が2017年に世界無形文化遺産に登録されたよね。
ローマ帝国はあらゆる場面でオリーブオイルを使った
ローマ帝国が繁栄していた時期(前3世紀〜3世紀)に、オリーブ栽培の生産量も増えました。
初代ローマ皇帝であるアウグストゥス帝(紀元前27年〜起源後14年)の時期には、人口が100万人に達します。
現在のローマの人口が280万人であることから、驚異的な数字であることがわかります。

当時において、世界最大の都市であるローマの都ではオリーブオイルが常に使われていて生活に欠かせない存在になっていました。
- 宗教儀式
- 香水の成分
- 照明用の燃料
- 食事の味付け
- オイルマッサージ
- 塗り薬(主に鎮痛作用)のある薬
- 運動後に身体をきれいにするために使われた
有力な貴族や豪族は広大なオリーブ農園を経営して、首都であるローマにオリーブオイルを贈ってお金を稼いでいました。
そのような経緯から、地中海全域でオリーブオイルが栽培されるようになりました。
なかでも、スペインのアンダルシア地方に相当する地域であるパエティカで多く算出されました。
ローマ帝国で消費される80%〜85%のがパエティカ産のものであったと推測されています。

maru
ローマのオリーブオイル消費量は、年間で2500ℓ(リットル)と記録されています。
一人当たり25ℓ(リットル)を超えて使用していたんだね!

ぽん太
オリーブオイルは神聖なものとして位置付けられていた
食用としてではなくランプの油や医療用品としても使用されたオリーブオイルは神聖なものとして位置付けられていました。
ここでは、神話に登場するオリーブオイルの話やどのような意味を持っていたのかについて解説していきます。
オリーブオイルって神話に登場してくるんだ!

ぽん太

maru
人類史上初めて人間が扱えた油であったので、神聖な物として捉えられていました。
『ノアの箱舟』にオリーブが出てくる

出典: NATIONAL GEOGRAPHIC 日本版サイト
旧約聖書のなかでも有名な話である『ノアの箱舟』の一節に、オリーブが出てきます。
ノアの方舟とは、神から「地中が大洪水に襲われ生き物が絶滅する」とお告げを受けた主人公であるノアが動物たちと共に大洪水が収まるのを待ったという話です。
主人公であるノアが作った箱舟は、地球上の動物の男女1組ペアを全て乗せなければ行けなかったのでとても大きなサイズであったと言われます。

海の上で方舟に乗り長い間待っていなければならなかったので、洪水が終わったのかどうかしる術はありませんでした。
そのため、ノアはハトを何度か飛ばして洪水が収まっているか、収まっていないのかを確認しました。
ある時、ハトがオリーブの枝を口にくわえていたことから、洪水が終わったことを感じたと言われています。
この話の影響もあり、オリーブの木は「平和」や「幸せ」を与えてくれる象徴の植物として表されています。

ぽん太
ハトが平和のシンボルとして用いられるのは、『ノアの箱舟』が由来しているよ!
ギリシャ神話にもオリーブが出てくる

出典: 女神アテナと海神ポセイドン
古来のギリシャ神話にもオリーブは登場しています。
その話は、古代ギリシャで最も煌びやかな都市であるアテナイの支配権を巡った話です。
知恵の神である女神アテネと海の神ポセイドンは、お互いにアテナイ市に役立つ贈り物を贈って、どちらが役に立つものを送れるのか競いました。
海の神ポセイドンがアテナイ市に贈ったと言われるものには諸説あるのですが、
- 戦場で駆け回る馬を作った
- 古代ギリシアのシンボルであるアクロポリスの聖なる丘に矛を突き刺し、海水をもたらした
を贈ったと言われます。
それに対して、アテネはオリーブの木を植えました。
オリーブの木は瞬く間に育ち新版である神(ゼウス)や他のオリュンポス十二神に感動を与えました。
なぜなら、オリーブは火の燃料になるオイルになり、食事に一手間アクセントを加えられる調味料にもなるからです。
そのため、オリーブの木はとても貴重なものだという判決が下り女神アテネが戦いに勝利しました。
その結果、アテナイ市は現代でも呼ばれ続けている「アテネ」という名称に改称します。
古代エジプト人にとっては神イシスからの贈り物

エジプト人にとってのオリーブオイルは「神イシスの神の贈り物」と言われています。
イシスとは、農耕と豊穣を司る神と呼ばれいてる女神です。
古代エジプトでは、女神イシスがオリーブの栽培を民に伝えたと言われます。
多産と豊穣の象徴であったイシスは、再生の象徴としても広く知られていました。
その理由は、夫であるオシリスの切り刻まられた死体を繋ぎ止めて蘇らせたからです。
現に、オリーブオイルはオリーブを液状にすりつぶして傷口に軟膏として使われるなど、医療の分野でも重要な役割を担いました。
まとめ|オリーブオイルは調味料以外としても使われていた

さいごにオリーブオイルの起源や歴史についてまとめました。
- オリーブオイルはナイル川流域に自生した
- フェニキア人がオリーブオイルの栽培方法をギリシャに教えた
- ローマ帝国は日常のあらゆることにオリーブオイルを使った
- オリーブオイルは神聖な物として位置付けられていた
今日から、オリーブオイルを使って美味しい料理作ろう〜〜!

ぽん太

maru
最後まで読んでいただきありがとうございます。